弥生時代中期前半~中頃になると福岡県糸島市三雲南小路遺跡、福岡県春日市須玖岡本遺跡など、中国大陸製の豪華な青銅器を多数副葬する王墓が出現してきます。
三雲南小路遺跡では32m×31mの方形墳丘墓内の1号棺から前漢鏡35面、金銅製四葉座飾金具8個、ガラス璧(へき)8個、青銅武器4口、ガラス勾玉(まがたま)3個、2号棺からは前漢鏡22面、ヒスイ勾玉、ガラス勾玉12個、ガラス璧片などが出土しました。
吉野ヶ里遺跡でも中期前半に墳丘墓が築造されています。吉野ヶ里遺跡の墳丘墓は南北約40m、東西約27m以上の大規模なもので、高さは現存で2.5mですが元来は4.5m以上であったと推定されています。中期後半から中頃にかけて14基の甕棺が発見されており、8基の甕棺から把頭飾付き有柄細形銅剣を含む銅剣8本やガラス製管玉79個など、被葬者の身分を示す貴重な副葬品が出土しています。
吉野ヶ里遺跡北墳丘墓SJ1002甕棺墓出土の有柄細形銅剣とガラス玉