弥生時代の人々の階層については魏志倭人伝は大人(支配者層)、下戸(一般的身分層)、生口(奴隷身分)という階層が存在したことを伝えています。 こうした階層の存在を裏付けるのが弥生時代の墳墓です。弥生時代になると他とは異なり、多くの副葬品や墳丘などを持つ「王墓」とも言える墓が出現してきます。 こうした階層を表す王墓は、弥生時代の前期末~中期初頭に、まず北部九州地方に現れます。福岡県福岡市吉武高木遺跡では、甕棺墓・木棺墓等 11 基より朝鮮大陸製の多鈕細文鏡(たちゅうさいもんきょう)1 面をはじめ、銅戈、銅矛(11 口)、玉類などの副葬品が出土しました。これらの副葬品が出土した墳墓群の東 50m 付近からは同時代に属する大型の掘立柱建物跡も発見されています。