塩を作った製塩土器が瀬戸内海地方の遺跡などから出土しており、塩が存在したことが確認されています。縄文時代には貝を煮て日干しにした干貝が、「塩」として流通していたのではないかと、関東地方の大型貝塚の研究から推定されています。干貝を煮て調理すれば塩味と出汁を共に味わうことができます。弥生時代にもこうした干貝や干した海草などが、塩味と出汁を出す調味料のように使われたことが想像できます。 嗜好品としては、魏志倭人伝の記述から酒があったことが知られています。当時の酒は米などの穀物を噛んでそれを甕などに入れて発酵させたものであったと考えられます。これは、最も原始的な酒づくりの方法で、現在でも東南アジアの稲作少数民族などにみられます。