縄文時代の集落は台地や丘陵の上に営まれるのが一般的です。弥生時代の集落も台地上・丘陵上に多くつくられますが、稲作の開始に伴って低地や平野の微高地にも集落がつくられるようになりました。水田を営むに適した湧水点のある平野をのぞむ台地上か微高地に立地し、住居である竪穴住居3軒に高床倉庫1棟というまとまりが幾つか集まってムラを形づくっているのが、弥生時代の一般的な集落のすがたです。こうした一般的な弥生時代のムラすがたは静岡県登呂遺跡などで見ることができます。
縄文時代以来、集落には一般的な集落と地域の中心となる拠点集落があることが知られています。拠点集落の特徴は規模が大きく、長期間存続し、一般の集落には見られない祭祀施設を備えていることです。縄文時代の代表的拠点集落は、中心に墓を伴う広場を持ち、広場を取り囲むように環状に住居を配した環状集落です。弥生時代になると周囲を壕で囲んだ環壕集落が拠点集落として登場してきます。さらに環壕集落にもレベル(階層)が出現したことをうかがうことが出来ます。