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第1章 弥生時代の年代

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2.弥生時代の年代

年代決定のキーとなってきた中国鏡(中国大陸製の鏡)

文字資料のほとんどない弥生時代の年代決定は、年代がある程度とらえられる中国大陸系の文物の日本での出土例と一緒に出土した土器などの型式の比較・検討を中心に進められてきました。北部九州地方の甕棺墓に副葬された中国鏡は、日本で出土する大陸系の文物による年代決定の中心となっています。その中の前漢鏡は中国の前漢の時代(紀元前202年~紀元8年)につくられた鏡です。前漢鏡が発見されるのは中期の甕棺で、この頃から北部九州地方でそれまで優勢だった朝鮮半島製の青銅器に代わって中国・前漢の青銅器や鉄器が多く出土するようになります。 これは、前漢の武帝が紀元前108年に朝鮮半島に前漢の出先機関として楽浪郡など三郡を置いたことによると考えられています。これらのことから北部九州で前漢鏡を副葬する甕棺の時代が、だいたい紀元前108年頃より少し新しい時代と判断されてきました。

写真:福岡県須玖岡本遺跡出土の前漢鏡(草葉文鏡)のレプリカ

福岡県須玖岡本遺跡出土の前漢鏡(草葉文鏡)のレプリカ

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