弥生時代の世界の様子
西アジアではアケメネス朝ペルシャが滅びる頃が弥生時代前期にあたり、パルティア王国を経て、弥生時代から古墳時代に移る頃ササン朝ペルシャが大帝国を築きました。紀元の始まりとなるキリスト誕生は、ベツルヘム(現在のパレスチナ自治区)とされています。
エジプトは弥生時代前期の紀元前300年頃、アレキサンドロス大王に征服され(紀元前332年)、アレキサンドリアを中心にヘレニズム文化の最盛期を迎えます。紀元前30年にはプトレマイオス朝のエジプトがローマ帝国に滅ぼされ、ローマの将軍アントニウスとともに戦ったクレオパトラが自殺、以後、エジプトはローマの属国となります。
ヨーロッパ大陸ではローマが次第に力を増し、一大帝国を築いていく時代にあたります。弥生時代がはじまる頃の紀元前264年、第一次ポエニ戦争に勝利したローマはその後、勢力を拡大し、クレオパトラとアントニウスを破ったオクタビアヌスがアウグストゥスの名で初代皇帝に就任し共和制から帝政に移行、ヨーロッパから西アジアにまたがる大帝国を築きました。弥生時代が終わり古墳時代が始まる頃にあたる紀元313年、コンスタンチヌス帝がキリスト教を承認、キリスト教がローマの国教となります。その後、395年にローマ帝国は東と西に分裂します。弥生時代600年はまさに、ローマが台頭、拡大、衰退し、キリスト教が迫害されながら徐々にその力を浸透させ、ついにヨーロッパでゆるぎない地位を占めていく時代に重なります。ヨーロッパもまた、大きな変化を遂げた時代でした。